報道関係者各位

ニホンモニター株式会社

メディアの調査・測定を行うニホンモニター株式会社(本社:東京都港区浜松町、代表取締役社長:韮澤美樹)は、2010 年8 月のアサヒビール/キリンビール/サッポロビール/サントリー(五十音順)計4 社のビール系飲料(ビール/発泡酒/新ジャンル/ビールテイスト)テレビCMのオンエア本数を集計し、概要をまとめました。調査結果は弊社WEB サイトでも公開しています。(http://www.n-monitor.co.jp/

【調査概要】
  • ■調査項目: アサヒビール/キリンビール/サッポロビール/サントリー各社のビール系飲料(ビール/発泡酒/新ジャンル/ビールテイスト)のテレビCM出稿本数
  • ■調査期間: 2010 年8 月1 日~2010 年8 月31 日
  • ■調査対象局: 日本テレビ/TBS/フジテレビ/テレビ朝日/テレビ東京(すべて東京地区地上波オンエア分)

■メーカー別CM放送本数・・・2大メーカーが大幅に本数を増加(図-1)

2010 年8 月のメーカー4 社のビール系飲料のCM放送本数は合計2808 本となり、2009 年の同月に比べ57%増加となりました。4 社中サッポロビール以外の3 社が昨年に比べ増加し、キリンビール、アサヒビール、サントリー、サッポロビールの順となりました。

中でもアサヒは2010 年上半期のビール類出荷量シェアで、僅差ながらキリンから首位を奪い返した勢いのまま、昨年とは転じ夏場の出稿を積極的に展開。8 月は前年比251%と大幅に増加させているのがデータで示されました。一方のキリンも今年は7 月だけでなく8 月も積極的に展開し、昨年同月比131%とし放送本数でトップに立っています。以下、サントリーも昨年に比べ8 月を積極的に出稿し、前年比142%で3 位。サッポロは7 月にCM出稿を集中させた結果、同59%で4 位となりました。

この大幅な増加の要因は様々ですが、各社の個別事情や戦術以外の要因では

  • 従来8月上旬までが出稿のピークであったが猛暑により中旬まで繰り越して大量出稿を計った。
  • この時期投入した新ブランドの大量出稿が影響した。
  • 2009 年時点より景気が上昇傾向の中、各社スポット枠を購入し始めた。

などが挙げられます。

■ジャンル別CM放送本数・・・ビールテイストが一気に2 ブランド発表で一大ジャンルに成長(図-2)

社のビール系飲料をビール、発泡酒、新ジャンル(第3 のビール)、ビールテイスト(ノンアルコール)のジャンル別で比較すると、2009 年4 月に発売されたキリン「キリンフリー」の大ヒットから始まるノンアルコールのビールテイストが、2010 年8 月3 日にアサヒ/サントリーから同時に新商品が発表されるなどしたため一気に放送量がアップ。3 社・4 ブランドで前年の25 倍の放送量となりました。全ジャンルにおけるシェアも23%となりましたが、サントリー「オールフリー」が発売直後に生産が追いつかず販売停止という事態にならなければ更にシェアアップとなったと思われます。飲酒運転対策や健康志向から販売量も含め一大ジャンルに成長し、更なる拡大も期待できる分野といえます。

他では販売量が減少傾向ではあるものの、まだまだ主力であるビールは各社が出稿に力を入れています。アサヒ「スーパードライ」、キリン「ラガー」についてはそれぞれテコ入れ施策で大量出稿するなど、前年対比140%、ジャンル別最大の1069 本(4 社・6 ブランド)の放送数となりました。

CM放送されたブランドとしては最多(4 社・9 ブランド)であるのが、近年成長している新ジャンルです。CMも前年比135%となり、ビールに肉薄する956 本の放送数となりました。ジャンル最大になるのも間近と思われます。

本格・高級志向のビール、低価格の新ジャンルに挟まれ独自性を失いつつあるのが発泡酒。CMも2 社・4ブランドで149 本と前年の約半数となり、シェアも5%まで落ち込んでいます。技術向上で新ジャンルの風味がビールに近づく中、税制が変化しない場合は今後淘汰されていく可能性もあるでしょう。

メーカー別CM放送本数

ジャンル別CM放送本数

■ブランド別CM放送ランキング・・・アサヒが集中化でトップ3 を独占。主力と新発売ブランドが凌ぎを削る(図-3)

ブランド別でCM本数をみると、6 ブランドで積極展開を行ったアサヒがトップ3 を独占しました。中でも主力の「スーパードライ」を前年とは違い423 本(前年110 本)と積極出稿し、アサヒ全体のビール系飲料CMの4 割を占めるに至りました。

258 本で続いたのが、8 月3 日発売のビールテイスト飲料アサヒ「ダブルゼロ」。発売1週間前の7 月27 日から予告CMを展開し、この市場を一大ジャンルに押し上げたキリン「キリンフリー」や続く「休む日のAlc0.00%」といった先行商品、同日発売のサントリー「オールフリー」への対抗もあり大量の出稿となりました。3 位の「クリアアサヒ」も前年比4.5 倍の放送本数となっており、上位3 ブランドでアサヒ全体の88%に至り、各ジャンルの主力に特化した集中出稿が特長といえます。

4 位のキリン「本格<辛口麦>」はジャンル違いですが「スーパードライ」を意識した新商品で、同社の新ジャンルのトップブランドである「のどごし(生)」とは違うポジショニング商品として、こちらも発売前から大量の予告版CMを放送した力の入れ具合となっています。

5 位「キリンラガービール」は前年同月がわずか16 本のCM放送数であったものを、236 本と大幅な強化施策にでています。キリンはCM出稿を行ったブランドが10 種類なため、メーカー別ではトップであるものの集中展開させるアサヒとは違った戦略といえます。

トップ10 ブランドは、やはり各社の主力商品や注力する新ブランドが占めました。

■メーカー別・日別CM放送本数・・・猛暑で大量出稿期間を繰り越す動きが顕著に(図-4)

メーカー別の日による本数の動きをみると、まずはアサヒの2009 年とは違う積極的なCM出稿姿勢が分かります。特に前半の本数の差は歴然としています。

またターゲット層の想定在宅時間や、ビールを含むアルコール類のCMの自主規制時間(今秋からは曜日にかかわらず5:00~18:00 に変更)などから、これまで週末中心の出稿が定石であった流れも変化を見せ始め、第1 週・第2 週では2009 年とは週末の差以上に平日の差が出ています。

そして特にアサヒが顕著ですが、大量出稿の期間を第3 週の土日まで繰り越す動きも2010 年の特徴といえます。もともと集中する土日のカレンダー配列や、猛暑が続く気象状況が影響したと考えられます。

一方で過去8 月後半から出稿し始めた”秋ビール”といった季節商品は、昨年から各社ともブランドこそ発売するもののテレビCMは放送しない状況が続いています。

CM放送量とは逆に8 月のビール類出荷量が過去最低に終わるなど、猛暑が消費に直結しないジレンマを抱えながらも、今シーズンの実績を踏まえ年末や次年度サマーシーズンにどう打って出るか、メーカーやジャンル毎の動向に注目です。

ブランド別CM放送本数ランキング

メーカー別・日別CM放送本数

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