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テレビメディア調査・測定の事業を行うニホンモニター株式会社（東京都港区東新橋、代表取締役社長：韮澤美樹）は、２００７年１月～４月に放送されたテレビ・ニュース報道の「団塊」をキーワードとした放送量・放送内容調査の結果をまとめましたので、下記の通りお知らせ致します。

戦後の高度成長期を支えた「団塊世代」と呼ばれる人たちの退職が、今年から始まり、大量退職による労働力の低下や退職金の多額の発生による経営難。また、製造業における技術伝承の断絶が「２００７年問題」としてメディアに取り上げられている。

このような問題を取り上げる一方、推定で５０兆とも８０兆とも言われる団塊世代が受け取る退職金、所謂「団塊マネー」を狙って、金融業界や旅行業界などが団塊向けに出す商品をメディアが紹介している。

さまざまな角度から「団塊世代」に関するニュースが放送されている昨今、一体、どのような話題があるのか。また、放送局によるニュース内容の傾向はあるのか等々、２００７年1 月から4 月までのＮＫＨ及び在京民放各局で放送された”団塊ニュース”を探ってみた。

■はじめに

団塊の世代といわれる人々が順次定年を迎える２００７年。新聞、雑誌、テレビなど多くのメディアで、この団塊世代の大量退職が社会現象として取り上げられている。テレビ放送でも今年に入り、団塊世代を扱った話題が目立つようになった。

多くの企業から団塊の世代が大量退職することにより、技術の継承や人材の不足等が起こるといった「２００７年問題」。また定年退職による退職金をめぐり、金融、証券、レジャー、趣味などの分野に大きなマーケットを期待して、様々なビジネスチャンスを掴もうとする動きも目立つ。今回は、この団塊世代の大量退職に関連したマスコミ報道について、テレビが伝えている団塊世代の話題を捉えてみた。

■調査目的

団塊世代の大量退職とそれに関連するテレビ放送の報道量を調査し、その総量と放送内容を確認し分類する。全体の報道量および放送内容から、団塊世代に関する報道を、どのようにテレビは伝えているのかを把握する。

■調査概要

• ◇調査対象：団塊および団塊世代関連
• ◇調査期間：2007年1月1日～2007年4月30日までの4ヶ月間
• ◇放送局：NHK総合、日本テレビ、TBS、フジテレビ、テレビ朝日、テレビ東京
• ◇時間帯：放送開始～終了まで
• ◇対象番組：ニュース、情報番組、ワイドショー

■調査項目

団塊および団塊世代に関連した話題がニュース番組、情報番組、ワイドショーにおいて放送されたか、その有無を確認し、放送があった番組については、その放送時間帯、放送秒数、内容を確認する。

◆ 調査結果

【テレビのニュース報道に見る団塊の世代】

１月～４月までの放送件数は１４３件、放送時間の合計は１５時間１９分４９秒。放送局別ではＮＨＫが件数、放送時間ともに最も多く４９件、４時間５４分５１秒であった。次いで放送時間ではテレビ朝日が２９件、３時間１０分１８秒。日本テレビが２２件、２時間５８分５６秒の放送となった。

▽ＮＨＫ＝４９件・４時間５４分５１秒

合計の報道量で民放を大きく上回る。「首都圏ネットワーク」「こんにちはいっと６けん」といった関東ローカルの番組内で出稿が目立つ。番組の性質上、地域情報や生活、暮らしに密着した話題の中で取り上げられることが多い。

▽日本テレビ＝２２件・２時間５８分５６秒

午後の情報番組「ザ・ワイド」では”シリーズ団塊２００７”と題した特集コーナーを３月に５回のシリーズで放送。この番組が日本テレビでの出稿量を大きくした。コーナーの放送内容は、時代背景、老後、大量退職問題、団塊を狙うマーケットなど、団塊世代の話題としてテーマごとに分けそれぞれ放送が行われた。

▽ＴＢＳ＝１１件／１時間１１分２２秒

この調査の範囲では最も出稿量が少ない結果となった。団塊世代に関する報道については、全体の扱いも小さく、特に２月においては、団塊に関するニュース報道は行われなかった。

▽フジテレビ＝１２件／１時間４４分４０秒

出稿件数ではＴＢＳと比較して１件上回り、時間では約３０分多い結果となった。この要因は３月放送の「報道２００１」において団塊格差の問題を取り上げており、この放送時間が約５０分に及んだ結果である。

▽テレビ朝日＝２９件／３時間１０分１８秒

ニュース情報番組「スーパーＪチャンネル」において特集のコーナーで取り上げられる事が多くまた「サンデープロジェクト」では１月に約１時間を費やして「２００７年問題・団塊世代７００万人が退職の〝光と影〟」というテーマで取り上げたことが全体の放送時間を引き上げたといえる。

▽テレビ東京＝２０件／１時間１９分４２秒

放送時間では、ＴＢＳを僅かに上回っているが、件数では２０件の出稿があった。放送番組では「ワールドビジネスサテライト」「モーニングサテライト」がそれぞれ７件の出稿があり、この２番組に集中した。局のニュース番組の特徴でもあるが、団塊関連の報道内容では、団塊世代をターゲットとしたビジネスに関する話題を取り上げている点が特に目を引く。

■ 局別報道量①

■ 局別報道量②

～主な報道内容～テーマ分類～

団塊関連ニュースの報道内容について、団塊世代に関する報道がどのようなテーマで扱われたのか、放送内容の主なテーマから幾つかに分類してみた。

団塊関連を扱った報道内容は、やはり定年を迎えて、これからの生活や暮らしについての話題が多く扱われた。地方の自治体が定年後の移住を促進する事例。地域社会に貢献する仕組みの様々な働き。

次いで団塊世代の趣味、再就職に関する話題が目立ったところである。趣味は定年後の過ごし方について、地域貢献と共に新しい生きがいの提案を示している。また退職金により発生する団塊マネーをビジネスチャンスとして捉えた報道では、レジャー・旅行といった話題が多く報道されている。特に旅行ビジネスでは、豪華で贅沢な旅行プランの報道が目立つ。

それぞれテーマ別にした詳細は、以下のリンクまで。

http://www.n-monitor.co.jp/graph/07dankai-ban.pdf

～調査を終えて～

団塊世代の大量退職が始まった。戦後の日本経済復興期とともに成長し、やがて高度経済成長の中、社会に出てからは、飛躍的に高まった日本の工業力を支え数多くの技術革新、そして新たなビジネスを築き上げた。現在の産業経済全体の発展を担ってきた世代でもある。経済の発展は社会全体にささやかな富と生活のゆとりを生み出した。そこには新たなライフスタイルとともに、新しい時代の文化、風俗、流行が生まれたのである。これから始まる団塊世代の大量退職によって生じる問題が、今マスコミで取り上げられている。中でも退職後の生き方、セカンドライフをどう過ごすかといったテーマが興味深い。旅行、趣味、レジャー、地域社会でのボランティア活動など退職後をいかに楽しんだらよいのか、いくつかの事例を紹介している。

また現実的な問題として、これからの生活設計を考える上で、収入面で不安を抱えての再就職問題、地方や田舎でのんびり過ごそうといった移住の推進、その明と暗。団塊世代のこれからのライフスタイルは、更なる高齢化社会へ向かっての生き方の指標となっていく。そして、この団塊の世代がまた新たなセカンドライフという文化を創造していく世代であるのかもしれない。

◆参考データ

■出稿番組別一覧

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